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“想い”と“感謝”で結ばれる 地域創造スタイル

Yui support 玉置 麻菜美 さん





地域と子供たちの未来のために


「現在のお仕事について教えてください。」


農業の専門、農家の相談窓口として、事業計画から販路の開拓までトータルサポートする

会社として活動しています。

紙媒体をやホームページ作りなども含めてトータルで携わらせてもらっています。

会社は私1人ですが、農家さんが目指す先に合わせてデザイン会社さんや

フリーランスの方などにお願いしながらプロジェクトごとに

チームを組んでその農家さんに合わせて

予算感、クオリティ、内容などを確認しながら最適なチームを組んで

農家さんの最終的な販路に繋がるまでを構築するお仕事をしています。



「まさに「ブランドを作る」という点では、弊社と同じようなお仕事ですね。今のお仕事に繋がるきっかけは何だったんですか?」


今の仕事関係に携わるようになって4年ほど経ちます。

自社の会社を立ち上げたのは昨年(2019年)の4月なので会社を設立して1年たちました。

その前に農業の輸出に関わる会社で3年ほど働いていました。

その会社に勤める前はパートなどをしながら子育てをしている普通の主婦でした。

自分が住んでいる地域で子供たちと散歩をしていると、周りに農家さんが多いことに気がつきました。

私の実家の両隣も農家さんだったでので、原風景を見ているような感じでしたね。

眺めていると高齢の農家さんが多いなと思いました。

その農家さんたちとは特に話したりしたわけではないけど、気がつくと家の前にお野菜がそっと置いあったり。

でも、その後話すわけでもなく手伝ううこともなく過ごしていました。

何年か経ってふと考えた時、「自分は子供が生まれて育てている中で、農家のおじいちゃん達も段々と高齢になってきてそろそろ大変じゃないかな?おじいちゃんたちがいなくなったらどうなるのかな」と思い始めました。

私の子供たちが成長して家族を持った時の地域を想像した時に、農地が荒れているイメージが出てきて自分の子供たちが「こんなところに住みたくないよね」「どこか他の場所に行くね」となったら寂しいなと思いました。

私はこの地域が好きで、国内外を問わず多くの人に誇れるようになってほしい、

日本もこの地域も素敵だねって言ってもらえるように

自分たちが環境を守っていかなきゃいけないんだなと思って。

何もできないけど、何かしなきゃっていう、やる気スイッチみたいな感じでした(笑)



「この地域の良さを伝えたい、守らなきゃという使命感みたいな感じですか?」


なんかやらなきゃ、このまま何もできないままじゃダメかもしれないって

気持ちが大きくなっていって、私に何かできることがあるかなっと思ったのが動き出す大きなきっかけですね。

NPOが開いている「想いをカタチに」という講座があってその講座に参加して「農家さんがつくっているものを販売加工して輸出もしたい」というビジョンを導き出しました。

地元の近所のお母さんたちが集まってお餅を作るようなコミュニティが昔はあったように、

形は変わったとしてもデザインとかできる人たちなど、

女性が集まって仕事として動いてみたらどうかと考えました。

専門の人たちと協力すれば、地域の良さや商品の素晴らしさも発信できるし、それがきっかけで海外の人からも注目されるようになる。

また、一緒に働けばその労力はお金としてチームのメンバーに還元できます。

ぼんやりとしたイメージを具体的なイメージに少しずつ変えていくうちに

地域のコミュニティや失われた大切なものを取り戻せるような風景が思い描けたので、そういったことをやってみようと講座のプレゼンで発表してみました。

私のプレゼンを聞いてくれた、ある会社の方から会社の中でやってみないかと声をかけていただいて働くようになりました。

その会社は独立する前に働かせていただいていた会社(プロダクトリング様)です。

3年間、輸出の仕事も含めてお仕事をさせていただいた中で、

初めて農業の現場に入って農家さんのお話を聞く毎日を過ごしました。

その中で感じたことは、

「実際に自分が思っていた課題と農家さんの課題にズレがある」ということです。

今取り組んでいる卸事業では農家さんがつくったものをこども園とかの給食で使ってもらえるようにしているのですが、安定がなくて農家さん利益性が低いのがネックなんです。

それをクリアしないでブランディングに取組んでも成功しないし、現実の課題を解決しなければ、思い描いたビジョンは達成できない。

それを踏まえて独立させていただき、輸出は連携させていただいています。





自分が見てきた景色が原点

地域性を表現できる「食」をフックに



「玉置さんがこの仕事に携わるようになったのは地域を良くしたいという想いがあっての

ことだと思いますが子供の時はどのような感じで過ごされていましたか?」


小さい時からみんなとは違った視点で日本を見ていたと思いますね。

父が愛媛県出身で母が長野県出身ということもあって、

おばあちゃんの家に行くのに10時間の道のりの中で

いろいろな県のPAとかを見たりとか、小学生の時は沖縄に住んでいたこともあるので

小さな頃からの積み重ねで「地域性」ということに面白みを感じていてました。

それを海外の人の視点に置き換えてみた時に、自分と同じような視点で

その地域を見ているんじゃないかと思っていて。

地域性の特色を強めていくことが日本の価値を高めていくのではないかと思います。

各地域に行くと全く違った食文化や伝統があって、

きれいな景色もあってそれらを含めて魅力的だなと感じます。

今はショッピングセンターがあったりして割と生活がしやすいように

街が出来上がってきていると思います。

それはそれで便利だと思いますが、画一化されて日本のどこにいっても

同じような感じになってしまったら、

せっかくの地域性が感じられなくなってしまいます。

それを子供たちに残していったときに…例えば30年後をイメージしてみるとその土地ならではの本当の意味の価値は失われていってしまうなと思って。

それだと悲しいですよね。

どうすれば子供たちに意味あるものを残せるか、いろいろ考えた結果、

一番特色が作りやすくて特色があるものが「食」だということに気がつきました。

両親の実家がある愛媛や長野でもその土地その土地で味の違いもあって

面白いと思っていたので、

自分が小さい時から感じてきたことや親からいただいた

環境を生かした仕事ができたら面白いなと思って。

今の仕事も子供の時の体験があって、つながっているなと思います。



「ご出身は浜松ですか?」


はい、生まれは浜松です。小学校1年生から3年生までは沖縄で生活して、

4年生からはずっと浜松で生活しています。

父が自衛官ということもあって、浜松以外の土地にもいろいろとご縁がありました。

中学、高校は浜松でそのまま就職しました。

友達よりは早く結婚して22歳の時に第一子が生まれました。



「子育ても現在のお仕事につながっているような感じがしますが、いかがですか?」


子育てをしながら子供も成長している中で感じたのはママ同士のコミュニティがないんです。

私は浜松で生まれているんですけど感覚としては転勤してきたママと同じ感じの環境で誰も知っている人がいなくて、友達がいないし、公園にいって「ママ友」とかもできて知り合いにはなるけれども、それ以上のお付き合いは生まれにくいんですね。

特に子供が幼稚園に入る前までのコミュニティが生まれにくいと感じました。

そういった経験もあったので、だから今あえてママのコミュニティを作っているんです。

仕事を通じてコミュニティができたらと思って「ママン」という新しいコミュニティを作りました。ここでは試食会をして、食のマーケティングを行っています。

初めましてで会っても、それぞれの味の感想を言い合う中で

お互いの出身地などを知ることができますし、それぞれの地域性も知ることができます。

そういったことが本当のコミュニティだと思っています。

公園に行って知り合いになることも良いと思いますが、本当のコミュニケーションからは少し遠いような気がします。

自分の経験も踏まえてですが、「本当のコミュニケーション」を生み出したいなと思って活動しています。





共感が人を集わせ

高いクオリテイの発信につながる







































素敵な冊子に仕上がっていますね。インベントとかも企画されているんですね。」


そうですね企画から集客から全部ですね。



「ホームページも拝見させていただきましたが、これだけみなさんの賛同を得て

人を巻き込んで活動していくのはかなりパワーが必要だと思います。

何かヒケツがあるのでしょうか?」


自分はすごいパワーがあるとか何かできるとは思っていなくて、むしろ逆だと思っていています。

他のママとかはITが強かったりデザイナーだったり手に職を持ってますが

私は高校を卒業して事務をしていただけなので、みんなよりできる、

自分しかできないことがあるということでもなくて。

たまたまプロダクトリングさんに一緒に働こうとお声がけをいただいたりとか、

その後に出会ったデザイナーの方々とかブロガーの方々に出会って、きっかけがたまたまあって出会いが巡ってきました。

私が駆け回った感じではなく、「こういうことをやったら子供たちが大きくなった時に、日本が魅力的なるよね」という共感があって、やっていこうということになって発信して今がある感じですね。

ただ言っていただけですが、周りの人の共感を得られてそして協力があって。

すごい人が集まってくれているんですよ。

私が手書きのラフを書いたのを形にしてくれる人達が揃っているんですよ。



「これだけ手の込んだものはスキルがないといけないし、時間もかかりますよね。

同じ紙媒体の制作をしているのでよく理解できます。」


率先してやってくれるんですよ。

農家さんのこういった想いを伝えたいんですということを、

私が思った以上の力で返してくれるんです。





いただいたものを、次につなげる

感謝の心が原動力


「この冊子を制作した皆さんも、ママさんで活動されているんですか?」


冊子の最後にメンバーの紹介もしていて、今回はこういうメンバーで活動しましたというのを載せています。

知り合った時点ではママじゃない方も今はママになって参加してくれています。

ママじゃなきゃだめということではなくて、環境も含めて、自分が親からもらったものがとても大きいので、もらったものを今活かしていこうという感じです。

両親への感謝を表現しよう思っていて、自分が親だからとかではなくて、

親からもらったものをつなげていくイメージで「ママン」という名前をつけているのですが、もう少し具体的に表現するならば、人から人へつながっていくイメージを

象徴的に表したのが「ママン」という言葉に集約されいる感じです。

他にもママとして活動されている方はいらっしゃいますが、

私は、「お母さんありがとう、もらったものを次につなげていくね」というスタンスで

活動させていただいています。



「切り口がママだからとかではなく、受け継いだものを後世へ伝えていくという

イメージですね」


そうなんです。だから私が親じゃなくても同じ活動はしていると思います。



「なるほど、たまたま結婚してお子さんもいてという立場でやっているよという

ことですね。」


子供のためにと思われがちですが、地域のために未来のために活動されている方は

たくさんいると思いますがスタンスは同じですね。

もらったものを良くして残す、基本的なマナーだったりが日本らしさだし、

地域らしさももちろんありますが、

そういったことが私は好きなので誇れるものを自分の時に悪くしちゃダメだと

思っています。



「玉置さんのご両親はどんな方でしたか?」


父は公務員で母は専業主婦でふつうの家庭で、家族を大切にしていて

毎年両家の実家に行ったりとか

夏休みやゴールデンウィークは愛媛や長野に行ったりするのがメインイベントでした。

両親も親を大切にしているのを見てきました。

普通の家庭で私も普通が何よりも素敵だと思っています。

そして普通に育ってきた中でいろいろなところに行って

たくさんのものを見てきた感じです。





地域が一つになれば

もっと強いブランドに


「いろいろなところにいった玉置さんからみて、静岡県はどんな印象ですか?」


いろいろな地域を見ているなかで、一番恵まれていると思います。

他府県で事業をしても良いと思いますが、海山川の自然環境も優れているし

日本の真ん中で交通の便も良いですし、食も豊かだし、客観的にみて

この地域から何かをすることは、とても恵まれているんじゃないかなと思います。

県外や海外にもっと上手く魅力を伝えられる人がいれば、もっと誘致できるんじゃないかなできることがたくさんあるなと、想像するだけでもワクワクします。

非常にポテンシャルが高いと思うので、他県から見ても同じようなことを感じている人は多くて、静岡に来て何かをしようという人が多いのもそういうことだと思います。

他から来て静岡の環境を生かした戦略を立てて活動していこうという方も多くいますし、

Uターンで起業する方もいますよ。



「浜松はどんな印象ですか?」


生活に必要なものは揃っているのでストレスフリーな地域だと思います。

お祭りとかも盛んで、地元での団結力というかコミュニティが強く

圧倒されて近づけないくらいです!!(笑)

良いことなんですけどね。

気候が温暖で、海があり、人もおだやかな方が多いのは、一時期住んでいた沖縄と少し近いなと感じるところがあって、過ごしやすい地域だなと思います。



「お仕事で農家さんのサポートをされていますが、農業の側面から見た

静岡県や浜松市はどうですか。」


そうですね、豊かな地域のため「なんでもある」「なんでもできる」それが逆に

力の分散という形になり、強い特色、ブランドを構築しずらく

「何でもあるのに、何にもない」というイメージに繋がってしまっているのかなと

思います。

愛媛県だったら、みかん県だから県全体でみかんをアピールして頑張ろうという

風潮があり、

市民が応援や、協力をしやすい雰囲気を作ることができます。

でも浜松の場合、例えば、静岡県のみかんをPRしよう!としたときに、

なぜか、静岡みかんAチーム、静岡みかんBチーム、静岡みかんCチーム、みたいに

複数になってしまう特徴があります。

すごい興味深い!でもブランディングとしてはすごく難しいですよね!

団結力が小さく点在していて、力が分散しているので大きな力になれないんです。

もしそれが、一つの力として集結し、強力なチームとなることができたら!

そこにすごく大きな可能性と魅力を感じています。



「多くの農家さんのために活動されていますが、現在ビジネスという点では

いかがですか。」


そうですねビジネスとして考えれば利益性も大事ですが、今はそこは重視していませんね。

農業という産業が、発展していく事で自分のビジネスも成り立っていくと感じています。

農家さんのためにというよりは、農家さんと共に農産業の可能性を大きく広げていきたいと考えいます。





家族の理解

子供にも伝わる想い


「ご結婚されていて、子育てもされているわけですがお仕事とのバランスは

どのようにとっていますか。」


主人はいろいろと手伝ってくれたりとか、家事全般ができる人なので

逆に私が頑張らなきゃと思うくらいですが仕事をすることに関しては理解してくれているので、ありがたいですね。

子供たちもイベントなどに参加させているので、私がやっていることを何となく理解していると思います。

家事も仕事もそうですが、私が慣れないことだったりを一生懸命必死になってやっているのも見ていて理解というよりは応援してくれている感じがします。

「ママと一緒にお仕事する」なんて言ってくれる時もあって子供ながらに

ママが頑張っているんだっていうのをわかってくれているみたいで嬉しいですね。



「お子さんからそういった言葉をもらえると嬉しいですよね。

それでは今後の豊富と世の中の女性に向けてメッセージをお願いします。」


現在は地産地消型の卸として、こども園や、保育園の給食に地元産の野菜を使っていただいたり、味噌づくり体験などで地元の方と子供たちの繋がりを小さくですが築いてきました。

今後保育園の地産地消化が広がっていく事で、食を通じた地域の輪がうまれていくといいなと思っています。

今年度は自社ブランドの苺の栽培も始めていきます!

農業の魅力、可能性はこれから自分たちでもっと高めていけると感じています。


周りとくらべたり、比較しないで、自分ができるときに、できる事をする事、

どんな小さな事でも、積み重ねていき、自分を信じて前進したり、後進したり(笑)自分らしくいれる事が一番かなと思います





玉置さんの活動内容などはHPやSNSをご覧ください。


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