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みんなの笑顔を大切に 女性の自立支援スタイル

GiLオーナー 小名木 恵 さん





きっかけは、あのドラマ



「理容師の世界に入ったきっかけを教えてください。」


床屋さんになりたいと思ったきっかけは、高校生の時に

ドラマの「ビューティフルライフ」を見たのがきっかけですね。

私世代はあのドラマを見て美容師になりたいと思った人は多いと思います。

漠然と仕事ってすごく大変なことだと思っていたんですけど

最後のシーンで女の子の髪を切るシーンがあってそれを見て、

美容師って素敵な仕事だなと思ったのがそもそものきっかけでした。

でも正直に言うと私はきらびやかな世界が苦手で。

美容師っておしゃれな子がなるものという先入観があったので。

でも髪を切る職業への憧れは持っていて、その時夏休みだけ

近くの床屋さんでアルバイトをさせてもらう機会があって床屋さんっていいなって思ったんですね。おじさんたちとお話しするのが楽しかったんです。

でも、高校生の時は進路を決めきれなくて、両親の希望もあって進学しました。大学へ進学した後も、床屋さんへの気持ちは持ち続けていました。

大学の2年の時に仕事の現場を体験できる授業があって

その時に病院や老人ホームに出向く訪問理容の現場にいかせていただいて、

現場での体験が自分のやりたいこととマッチして訪問理容師になりたいなと思いました。

顔剃りもできた方が喜んでもらえると思ったので、

本格的に理容師を目指そうと思いました。

大学を卒業してからは、働きながら通信で勉強をして理容師の資格を取りました。


「大学時代は専攻は何だったんですか?」


教育学部だったんですけど、大学に行った目的が将来の夢を模索するためと、一回は都会に出たいという気持ちもあったので埼玉の大学に行きました(笑)

埼玉の大学に通いながら東京へバイトをしに行ったりして、将来の夢探しですね(笑)


「ご出身は浜松ですか」


はい、東町ですね。


「訪問理容を体験したが大学2年生の時。そこからブレずに現在に至る感じですか。」


その時にはもう大学を中退して理容師の道に進もうと思ったほどでしたが、

大学に進学させてもらった手前、両親の気持ちも考えて大学はきちんと卒業しました。

訪問理容師を目指していたので、

大学の時に大学の勉強と同時進行で資格取得の勉強をして、

ヘルパー2級の資格をとりました。

卒業後は半年間介護の現場で働いて、大学を卒業した年の10月からは

埼玉の理容店で働きながら資格を取得して、4年間働きました。



いろいろ悩み考えた末に見えた、

自分の道



「もともと自分のお店を出したいと思っていたんですか?」


店を地元で出したいとは思っていました。でもその時は自分に

床屋の全ての技術が揃っていないと実感していて。

関東には女性のお顔剃り専門店があるんですけれども、それだったら

今の自分の技術でお店が出せるかなと思ったので

デパートの中にある女性のお顔剃り専門店で半年ほど働いて勉強した後、

浜松に戻ってきました。


「浜松に帰ってきてからすぐにお店を出したんですか?」


お顔剃りのお店を出したいと思って、

知り合いの美容師のお店の一角でチャレンジしてみたんですけど

美容の仕事もお手伝いしなきゃいけなくて、

考え直そうと思いそこのお店で働くことは断念しました。

その時がちょうど27歳くらいで、人生についていろいろ思うところもあって、仕事は土日休みの方が良いかなと思ったりもして(笑)

一回就活をしたんですけれども、なかなかうまく行かなくて悩んで落ち込んだりして

その時かなりマイナス思考になったんですけれども、

そのおかげでやっぱり理容師しかないと気付けたんですね。

そこで、いろいろ床屋さんを探していたら、私に合いそうなお店に出会えたんです。

ご縁のあった師匠のお店で、4年間働かせてもらいました。

そこのお店はプライベートの時間も大切にできるような環境で働きやすかったんです。

そのうち徐々に自分にもお客様がついてくれるようになって

「一生この仕事でやっていけるな」という自信がつきました。

師匠の元で働かせてもらった時に、仕事そのものの楽しさだったりとか

自分の好きな事と並行して仕事ができることを教えてもらって、

この仕事をとことん一生やりたいと思った時にだったら自分のお店を出そうと覚悟が決まってお店を出すことにしました。

師匠には感謝しています。


「独立してから3年半が経ちましたが最初はお一人でしたか?」


ドラマの中のキムタクのお店が原点なので、お店の作りも1人で回せるようにして、お休みも自分で決めてスタートしました。


「ブログを拝見しましたが、一緒に働いているスタッフさんもいらっしゃいますね。」


1人でやって2年くらいたった時に、

売り上げだったり体力だったりいろいろな限界が見えたんですね。

規模を大きくするわけではないんですが、次のステップは人を雇って進もうと決めました。

自分1人でできることは、やり切ったと思えたので、

次のステップはみんなとやってみたいなと思いました。

女性理容師さんを募集したかったんですが、

女性理容師がそもそも少なくていないんですね。



「今少ないという話はよく聞きますし、なりたいっていう子も少ないみたいですね。」


そうなんですよね。1人で限界、でも女性の理容師はいないし…

そこでどうしようかなと考えたんですが、師匠のお店でも脱毛機を導入していて

脱毛だったら資格も必要ないですし、お店には個室もある。

それにシェービングと脱毛はサービスとして同じジャンルかなと思って

友人を誘って一緒に働くことになりました。

最初はパートとして働いてもらって、

今年の2月から正社員として働いてもらっています。


「現在は何名ですか?」


今は脱毛担当の子と、4月からマッサージができる人、

もともと友人だったんですけれども

パートとして働いてもらっていて、今週から新入社員が入ってきます。

その子は経験がないのですが、私は女性のお顔剃りを盛り上げたくて、

そうなるとやっぱり女性理容師が欲しいんですね。

だから働く条件として理容師の免許を取得するという事で

働きながら学校に行ってもらいます。仕事をしながらだと3年かかりますけどね。


「お店のサービス内容の充実のためにスタッフさんを入れた感じですか?」


自分があったらいいなというお店がつくれたらいいなと思っていて、

嬉しいことに働きたいと言ってきてくれたのもあって、

仲間が増えて楽しく働けたらいいかなと思っています。




勉強を重ねながら続ける、情報発信



「最初お店を立ち上げた時はどんな気持ちでしたか」


最初は不安が大きかったですね。

立ち上げるまではウキウキ、オープンしてからは二ヶ月間は不安で

「あれ?以外にお客さん来ないな」って予想とは違っていましたね。



「不安がある中で、お店を運営されて徐々にGiLの名前が浸透していく中で

お客さんが来てくれるまでどれくらいかかりましたか?」


2月にオープンして目標を達成したのは7月か8月なので半年くらいですね。

幸運なことに師匠のお店で集客の勉強もさせてもらっていて

SNSのセミナーにも参加させてもらっていました。

ブログもオープンの1年くらい前から立ち上げていたのでオープンと同時に

ドカンとお客様が来ると思っていんですけど(笑)

SNSは時差もあるので、徐々に増えてくれましたね。


「営業努力の賜物ですよね。今の情報発信ツールはSNSがメインですか?」


ブログに力を入れていて、365日スタッフさんたちも含めて発信しています。

SNSにブログの内容を反映さることもあります。

今、発信しているブログは集客が目的ではなくて、自分の仕事の考え方の確立だとか

そういったものを発信して大切にしています。

独立した最初は個を発信しようということで、プライベートで出かけたことの内容だったりとか趣味の話などを投稿していましたが、

次のステップでもう少し深い内容を発信しようと思いました。

集客はやり方がそれぞれ違ってきますが、商売としての在り方などを発信していった方がよいと思いましたし師匠からも同じようなアドバイスをいただきました。

ブログというツールで仕事に対する思いや考えを発信して、

この仕事をして何を成し遂げたいのか軸を持つのが大切だと思ったので今ではその内容を中心に発信しています。


「勉強熱心ですよね。」


不安なんですよね。

今はスタッフさんも増えたしお客さんも集めたいですし、

不安をセミナーに行くことによって解消しながら自分なりに前に進んでいる感じですね。

自分ではなかなか決めきれないですからね。


「不安を逆手にとって自分を鼓舞するための材料にしている感じもありますね。」


そうかもしれませんね。


「お店を立ち上げた時はどんなお店にしたいと思っていましたか?」


30歳の時に独立しようと思って、

そのあたりの年齢は女性にとって揺れ動く時期だと思いますが

これから1人で食べてけるようにしなきゃいけない。

どんなお店というよりは生きていくために仕事をするといった感じですね。


「生業としてやっていく覚悟みたいな感じですか?」


自分の好きなお客様に来ていただいて、自分の好きなようにやれればベストですが

その当時は目の前のお客様を満足させようという気持ちで日々過ごしていましたね。

おかげさまでお客様から良いアドバイスをいただけたり、安売りすることなく、来ていただきたいお客様に来店していただけるようになったのは

コツコツと勉強をしていたおかげだと思っています。



夢だった自分の店舗が完成。

お客様と作り上げる“床屋スタイル”


「今まで3年半走り続けてきて、

 自分の店舗も完成したわけですが今はどんな気持ちですか。」


もともと自分の店舗を建てることが目標だったので、頑張ってきてよかったですね。

当初は売り上げを見ながらの毎日でしたが今はお客様やスタッフさんたちの幸せそうな顔を見ているのが嬉しいなと思っていて。

お客様もGiLだから来てくれていて、スタッフさんたちも楽しそうにしていて。これからはスタッフさんたちにも活躍してもらって、スタッフさんたちのファンが増えてくれると嬉しいですね。

お客様との距離感が仲の良い友達のような感じがいいなと思います。

お店を中心に、お客様と家族のような、親戚のような感じでいられたら最高ですね。


「なるほど、ホームページのお客様の写真などをみていても

アットホーム感はとても伝わってきますね。

町に馴染んでいる古き良き床屋さんのような雰囲気ですね。

今の雰囲気はやりながら出てきたのか、それとも当初から目標にしていたのですか?」


私の性格上、お客様との距離感は出来る限り近い方が良いと思っていました。

私もサロンに通っていましたが、かしこまった接客に違和感を覚えて

高級感は感じるんですが、お店に行くのに服も選ばないといけないし(笑)

あとは、料金体系などサロンのシステムについて疑問に思うことが多かったんです。

だから自分のお店ではわかりやすくて正直に運営していきたいなと決めていたので全てをオープンにしてメリット、デメリットもお伝えしたうえで

お客様に選んでいただければ良いと思っていますね。

その気持ちがアットホームな感じにつながっていれば良いなと思います。



「そうですね。冒頭でキラキラした雰囲気が苦手とおっしゃっていたのが

つながっているのかもしれませんね。」


なるほど、もともと私の好みが庶民的なお店なんですね(笑)



「床屋スタイルを良い意味で現代化しているような気がしますね。

ご来店されるお客様の年齢層はどうですか?」


メインは40代の方が多いですね。

若い方だと小学生で、今は小学生でも脱毛するんですね。


「えっ!!!小学生からですか?」


脱毛機にもいろいろありますが、ヤケドなどもなくて肌にもやさしいので

小学生からでもできますよと謳っています。

今は小学生でも脱毛は特別なことではなくて、脱毛に対する考え方が変わってきています。

悩んでいるからプロにお任せしたいというリクエストが多いですね。

一番若い子は小学生3年生で、美的センスが変わってきているのは確かなので

お店に導入したのはマーケット的には良かったと思います。


「美意識が高くなっている感じですか?」


美意識が高い人が脱毛するのではなくて、髪を切ったりするのと同じような感覚で脱毛する方が多くなっています。

昔はお金を貯めてサロンに通って、自分へのご褒美的な感じでしたが料金もかなりリーズナブルになってきたので通いやすくなったんだと思います。

今来ているお客様も髪の毛を切りにきたついでに脱毛されている方も実際にいますよ。

今は美容院さんでも導入されているところもあるので、もっと一般化していくと思います。



女性が自立するための、

“女性理容師”という道


「なるほど、女性オーナーならではの視点ですね。

今現在、力を入れていることはありますか。」


それぞれに力は入れていますが、

やっぱりお顔剃りに力を入れていきたいと思っています。

私の大きな目標の一つとして、今後女性理容師さんを増やしたいと思っています。

昨年結婚しましたが、

私自身、職を持っているので良い意味で自立していると思っています。

おかげで人生における選択肢が増えたと感じているので、

他の女性にも自立して欲しいなと思っています。

母が専業主婦だったということも影響があるかもしれません。

生きていくなかで人生にはいろいろなことがあるので、選択肢は多い方が良いですよね。

スタッフさんたちが生業としてやっていけるまで

応援しながら経営していくことも大切です。


「なるほど、女性が自立するための一つの道とての女性理容師ということですよね。」


そうですね。私が理容師を選んで自立できたという経験もあります。

そのために女性のお顔剃りシェービングの価値を高めたいと思っています。

今はセットの中に組み込まれていますが、シェービングのみでサービス内容を充実させていきたいですね。


「恵さんが思う、シェービングの一番のメリットは何だと思いますか?」


産毛がとれたり、古い角質がとれたり、肌が白くなってなどいろいろありますが

一番は一般的なエステに通う以上に効果が出るということだと思います。

目に見えて肌が白くなるがわかりますし、古い角質がとれるので化粧水の入りも良くなりますし、すぐに実感していただけます。

贅沢ではなくて、スキンケアの一つとして一ヶ月に一回やった方が良いと思います。

今来てくれているお客様も月一の方が多いですね。

最近ではブライダルのために来てくださるお客様も増えましたね。

需要も多くなってきているので、やっぱり女性理容師の認知度を上げていきたいですね。

エステティシャンになりたいという人は多いですが、

私は女性理容師もなりたい職業の候補に入って欲しいなと思っています。



「職業の一つとして認知されて、選択肢として示していければ良いですね。

現状では女性理容師というものを知らない人が多いかもしれませんね。」


そうですね。理容と美容の違いもわからなかったり、

成人式や結婚式などのイベントの時にしか知る機会がないので、シェービング自体の認知度が上がれば女性理容師の活躍も知ることができると思いますね。



結婚・自分の店舗開店・スタッフさん増員 

回りだす新しい歯車



「ご結婚されて、仕事と生活のバランスはどうですか?」


そうですね〜9割ジルのオーナーで1割は奥さんみたいな感じですね(笑)

もちろん先のことも考えていますが、

私の中にいつまでにこれをやるという目標設定があって

今度スタッフさんも新しく入りますし、今は仕事を頑張る時期だと思っているので

主人にもきちんと説明をして

理解してもらっています。今は未来のための準備期間ですね。


「ご結婚される前と今は気持ちの変化はありましたか?」


独立した当時のようなガムシャラさはなくなったかなぁと感じますね。

経済的な事は別にして精神的な豊かさが得られていると思います。

お店が軌道に乗ってきて仕事にも自信が持てるようになった頃に結婚したので、タイミングが良かったかもしれませんね。


「充実した毎日を過ごされていると思いますが、スタッフさんも増えて

オーナーとしてはいかがですか?」


そうですね、いろいろ勉強はしていますがスタッフさんたちにどう動いてもらって、やりがいを感じてもらえるかをマネジメントしていくことは難しいなと感じています。

でも私の中ではスタッフさんたちは家族なのでオーナー・従業員という関係性ではなくみんなそれぞれ個性があるので、最終的なゴールを共有できれば良いと思っていますね。

みんなが楽しくイキイキ働けるような環境をつくることが

オーナーの仕事だと思っていますが試行錯誤しながら頑張っています。


「お仕事に邁進してきましたが、

リフレッシュはどのようにされているのですか?」


趣味でベリーダンスを7年くらいやっていますし、

山登りも2年前に始めたので時間を見つけて楽しんでいます。

今は月6日休みですが、訪問カットもしていたりするので

純粋なお休みは2日くらいですね。

来年は月8日休みにして、自分の時間も充実させたいですし、

スタッフさんたちにも良い働き方をして欲しいと思っています。


「インタビューが始まってだいぶ経ちますが(笑)

GiLの店名の由来をお伺いしたいと思います。」


ベリーダンスのフィンガーシンバルが「ジル」という名前でそれが由来です。

そんなにこだわりはなかったんですが、お店を始める時は男性も女性も来て欲しかったので

どちらかに偏らないようにと思っていましたし、SNSもあるのでいかに

検索してもらえるかということも考えて決めました。

同じ名前が少ないというのもポイントですね。いろいろ調べてから決めましたね。

深い意味はないんですけどね(笑)


働くことは、

生きること 

女性の活躍と幸せを実現できる場へ


「今後のGiLとしての目標と、恵さん自身目標を教えてください。」


GiLとしての目標は、シンプルに「お客様、スタッフさんたち、笑顔」ですね。

私自身としての目標は、女性理容師の確立と女性理容師が活躍できるお店を

もう一店舗出したいですね。

今までがむしゃらに仕事をしてきましたが、自分のプライベートのことも充実させながら

仕事も頑張れるということをアピールできたらいいなと思っています。

女性が自立して仕事をすることって「大変だよね」とか思われるのが嫌で

自分が一生懸命働いていても仕事ってすごく楽しいことだし、

何も犠牲にすることなんてないよというのを伝えられたら良いなと思っています。

専業主婦に憧れていた時期もありましたが、こうやって自立できたことで

見えてくる世界が広がりましたし、

女性もその人なりの価値観で自由に自分の道を選択して、

社会と関われればもっと活躍できると思いますね。

女性ならではの視点ってすごく貴重ですし、大切だと思いますよ。


「GiLというお店がモデルケースになると良いですね。

それでは最後に一言お願いします。」


そうですね、やっぱり全ての女性に幸せになって欲しいと思っています。

それぞれ価値観が違うので、それぞれが思う幸せをつかんでほしいなと思います。

私はラッキーなことに仕事をすることに喜びを感じていて今幸せだと感じています。

だから自分が思う幸せを感じながら、それぞれの女性が生きられたら素敵なことですよね。

師匠に言われた「働くことは生きること」という言葉の意味がようやく理解できました。





小名木さんの活動内容などはHPやSNSをご覧ください。


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